Micro Happening no-mu

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京都府亀岡市に位置するno-muで隔年で開催されているアーティストインレジデンスプログラム“Micro Happening”のフォトアーカイブブック。この期間no-muでは世界8ヶ国、10都市からからアーティストを中心にシェフ、建築家、日本学研究者、起業家など様々なジャンルの文化人11名を招き、共同生活をする中で郊外における様々な問題に目を向け、アートの力によってイノベーションを生み出すための社会実験を試みた数ヶ月間の記録を写真を中心にと滞在者たちの言葉でまとめた一冊。

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発行日:2020年1月11日
仕様:A4 変形サイズ 120ページ
編集:田中英行
写真:山口 卓也
翻訳:AO
デザイン:山口 卓也、牧田亜希
言語:英語
発行所:no-mu

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3年前に自分が生まれ育った家で小さな宿”no-mu”をはじめた。両親が遠い山村へと移住し農業とカフェを始めたのだ。新生活を存分に謳歌している両親にとって地元の家は小さな悩みの種であり実家は数年空き家となっていたが、私が海外からアーティストとしての生活を半ば断念し地元に戻ってきたことがきっかけとなった。幼い頃の記憶においてここは居心地の良い場所ではなく、曽祖母から呪文のように聞かされていた600年この地に続く祖先の話は私をひどく憂鬱にさせるものであった。”no-mu”は濃霧という言葉の音からとった、このまちは秋から春にかけてひどい霧に包まれる、霧は私にとって故郷の記憶のシンンボルであり、イマジネーションの根源となっている。

宿をオープンし客人を迎えるとこれまでとは違った日々が始まった。いつもは無口なおばさんが客人を宿に案内し、犬の散歩をしている無愛想なおじさんは辿々しい英語で嬉しそうに話し、若者は駅から道案内人として強引に連れられ、不意の見知らぬご近所さんからの着信、警察官と一緒にやってくる客人や知らないお店で地元のおじさんと呑み明かす客人。小さな町でありながらも私は結ぶ事のなかった様々な関係性を客人達は軽やかに、時には乱暴にこの”no-mu”へと結び始めた。

故郷における”no-mu”と稀人の間で自然発生的に生み出されるささやかな”ハプニング”は、私にとって芸術と日常の垣根をなくし、より根源的な人間の生へと私を誘い、本質的な芸術の意味とその未来のあり方はこういったカタチに変容して行くべきなんだろうと考えさせた。アーティストの作品に作品らしさは不要であり、偶発的に日々新しい出来事と関係性を発生させる装置としての宿”no-mu”は日本における現代の「まれびと信仰」のように異界から”カミ”として異人を招き、小さな世界の変容を促し、さらには私の作品に対する執着心を解きほぐしていった。